【農場だより】収穫量がこんなに・・・

2025.06.30

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農場だより 

ネイチャーズウェイの製品には、自社農場にて栽培したハーブが使われていることをご存じですか?農場の様子やスタッフのこと、ハーブ栽培の現場の雰囲気をもっと知ってもらうために、農場で働くスタッフから「農場だより」をお届けいたします。

TOPICS

■地球を健康に導くための活動

今年は明野ハーブ農場が、最初に有機JAS認証を受けてから13年目になります。
当初から有機栽培を実践したことで畑のフカフカさが増し根っこがすくすく伸びる状態を維持することができていますが、次の段階として土壌の協力者である「微生物」への負担を減らし、より活発な生命活動や、より多くの炭素を土壌に貯留することで地球温暖化の抑制はもとより、母なる大地である地球そのものを健康に導くための活動へと進化させなければならないと考えています。


前回までの記事はこちら → https://www.naturesway.jp/column/naturesway/231

そのためのテストとして、従来の黒マルチからの脱却(切り替え)検討として「植物マルチ(稲わら、緑肥植物、雑草などを使用)」を活用した手法で生育や収量にどれくらい違いが出るのか、一部テスト区を設け比較調査をおこなっています。

▼明野ハーブ農場 第2圃場 今年はテストのため全域でのマルチ張りを行いません


そのひとつ、当農場では真っ先に収穫のはじまるトウキンセンカ(カレンドラ)で大きな差が出てしまいました。

トウキンセンカについてはこちら → https://www.naturesway.jp/column/naturesway/107178c

▼稲わらマルチ区と黒マルチ区の開花の違い

画像のⒷⒸ列は従来の黒マルチを施用した畝(うね)に苗を植えた場所、Ⓐの列は稲わらマルチを敷いた畝に苗を植えつけました。
6月中旬トウキンセンカ花を収穫したところ、ⒷとⒸはほぼ同じ収穫量でしたが、それに比べてⒶは3割以下という内容となりました。

考えられる要因としては・・・
・黒マルチは気温がまだ上がらない春でも暖かくしてくれるため根っこが伸びやすいが、植物マルチは温度があまり上がらないため初期生長に差が出てしまった。
・黒マルチは水分蒸散を抑制するが、植物マルチは土が呼吸しやすい分、水分も抜けやすいので必要な水分が不足気味となった。

この2点が大きな要因と考えられます(ここまで顕著な差が出るとは・・・)

このままでは来年以降収穫量が減ってしまうのでこの改善が大きなテーマのひとつに加わることになりました💦。
自然との向き合い方をあらためて考えさせられるテストの始まりとなりました。

従来の営農作業と並行して他のテストも進めていますので、それらへの対処や応用も考えながら観察と戦いの日々は続きます。

ネイチャーズウェイ自社農場「明野ハーブ農場」について

明野ハーブ農場

明野ハーブ農場は、山梨県北杜(ほくと)市にある栽培面積3,850㎡の有機栽培を行う自社農場。明野ハーブ農場がある土地は富士山、南アルプス連峰、八ヶ岳連峰に囲まれた茅ヶ岳の南西部、標高800mに位置する丘陵地で、日本一日照時間が長いことで知られています。また昼夜の寒暖の差が大きいため、過酷な環境下でも耐え忍ぶ生命力の高いハーブが育ちます。

農場では、全20種類のハーブを栽培し、製品の原料としても使われています。

エキナセア
セイヨウノコギリソウ
ゼニアオイ
アルテア
タイム
ラベンダー
オウゴン
セージ

▲農場で栽培しているハーブの一部です

■国が認めた「有機JAS認証」を取得
有機JAS認証

さらに、明野ハーブ農場では、2012年より「有機JAS認証」を取得しています。

<有機JAS認証とは?>
有機JASとは、2000年に改正された日本農林規格(JAS)によって、有機農産物などの表示を認証したもの。 認証は該当物資の生産方法の確認に始まり、製造工程、流通方法、商品の保管・管理とその責任者の制定に至るまで細かく設定され、そして認定検査官の事前審査とオーガニックに関する講習を修了して認定となります。

<取得条件>
・最低でも3年以上は土壌に農薬を使用していない
・有機肥料であっても化学成分や重金属が含まれていないものを使用する
・土壌の性質に由来する自然循環機能の維持増進を図る
・環境・衛生管理の整備(外部からの異物流入や混入も防止)
・上記に関する管理プログラムの制定とその実施
・上記に付帯する全ての事項に関する第三者認定機関による検査および年次更新の審査

日本ではオーガニックコスメに関する法的定義が存在しないのが現状ですが、食品分野においては世界各国ともに法的な規制のもと厳格な定義があり、日本では「有機JAS」がこれにあたります。つまり、有機JAS認証を受けたハーブは、国が認めた公的な有機(オーガニック)農産物だと言えるのです。

スタッフ紹介

開発調査室
山口 浩

高校・大学で農業を学び、卒業後他業種に就職するもハーブの香りが忘れられず、ハーブに関われる植物化粧品を扱うネイチャーズウェイに入社。自社のハーブ農場も開園し、ハーブに囲まれ、ハーブに向き合い、ハーブ三昧な日々を送っています。