美しさは大地から。ネイチャーズウェイの農場を訪ねて

2025.08.20

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ネイチャーズウェイでは、山梨県北杜市明野町(ほくとし あけのちょう)と愛知県南知多半島で営農活動をおこなっています。
各農場で栽培されたハーブは、自社製品にエキスとして配合しているものも多く、ネイチャーズウェイにとって欠かせない大切な場所です。 今回は農場長の山口さんに、ネイチャーズウェイが営農活動を始めたきっかけから今後の取り組みまで、詳しくお話を伺いました。
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ネイチャーズウェイ
開発調査室

やまぐち

高校・大学で農業を学び、卒業後他業種に就職するもハーブの香りが忘れられず、ハーブに関われる植物化粧品を扱うネイチャーズウェイに入社。自社のハーブ農場も開園し、ハーブに囲まれ、ハーブに向き合い、ハーブ三昧な日々を送っています。


ネイチャーズウェイが営農を始めたきっかけはなんですか?

 

私たちが、この山梨県北杜市で営農を始めた2010年以前は、製品に配合する植物エキスや原材料を専門業者から買い付けていました。
厳しい基準を設けて原材料の選定をおこなっていましたが、なかには産地や栽培方法がはっきりしないものあり・・・。

「産地や栽培方法などネイチャーズウェイが把握していない原材料をできるだけ排除し、お客様が本当に安心してご使用いただける製品をお届けしたい。」
そんな強い想いをもって原材料の調達をおこなっていましたが、厳しい基準をクリアできる原材料は少なく、当時はとても苦労していました。

そこで、私たちが求める基準の原材料が世の中に少ないのであれば、「自分たちが作ればいいのでは?」という考えにいたったんです。

お客様にお届けする製品の原材料まで、胸を張ってお伝えできる製品作りこそが、私たちネイチャーズウェイの責務であり、ナチュラルコスメにとって重要だと考えました。
そこから有機栽培で行う営農活動に向けての取り組みがスタートしました。 


山梨県北杜市の土地を選んだ理由を教えてください。

営農活動に向けて、全国各地の土地を回りました。
この山梨県北杜市は、なかでも日照時間が非常に長い地域として知られています。年間を通して晴天が多く、年間日照時間日本一を謳っているほどです。

植物にとって紫外線は、光合成を行うために欠かせませんが、私たち人間と同様に紫外線は植物にダメージも与えます。
また、晴天が多いということは、雨が少ないということです。さらに、私たちが営農を始めたこの土地は標高800mに位置する丘陵地。紫外線が長く照り付け雨が少ないこと、また丘陵地のため昼夜の寒暖の差が大きいなど、植物にとっては過酷な環境にある土地でした。

しかし、こんな過酷な環境下でも耐え忍び育つハーブは、きっと「生命力に溢れたハーブが育つ」と考え、この土地をあえて選びました。
富士山、南アルプス連峰、八ヶ岳連峰、奥秩父連峰に囲まれたロケーションにも心を打たれ、今でも四季折々に変化する雄大な景色には毎回驚かされ、感動しています。


普段の営農作業で大変なことはなんですか?

あげだしたらきりがないほど、たくさんあります(笑)

先ほどお話したように、寒暖差が激しいため、冬は「八ヶ岳おろし」と呼ばれる寒風が吹き抜け、土がカサカサに乾燥してしまいます。
落ち葉を布団のように被せているのですが、風で飛ばされてしまうため追加作業が欠かせません。最低気温がー10度になる日もあり、日陰では霜柱が溶けないこともしばしば。

かと思えば、夏は35度を超える日もあり、しゃがんで作業していると、直射日光で熱せられた畑土から熱気とともに湿気も立ち上がり、昼間の作業はまさにサウナ状態です。

2010年に営農を始めましたが、50cmを超える大きな石も毎年のように出てくるので、それを掘り出すのも一苦労です。

ハーブによって、根・花・茎と利用する部位が変わるため、根っこを利用するハーブは種に栄養がいかないように、花が咲いたら切る作業が必要です。

また、アルテア、ゼニアオイなどアオイ科の植物はハマキムシなどの害虫がつきやすいので、初期の駆除(つぶすなど物理的駆除)が欠かせません。
有機JASで使用が認められている自然農薬はありますが、自然といえど農薬です。私たちはそれすら使用したくない思いから、大変なのは承知の上で、妥協せず一つ一つ手で駆除しています。

その他にも野生のシカや猿に食べられないように柵を作ったり、根っこの洗浄作業で全身水びだしになったりなど、笑い話も含めて苦労はたくさんあります。

 

営農作業の中で記憶に残っているエピソードがあれば教えてください

2014年2月、過去に例のない記録的な豪雪となり、当地の積雪量が最大140cmになったことがありました。
災害救助要請を受けた自衛隊により主要道路では除雪作業が行われたものの、生活道路や農場へ続く道には10日後でも膝上までの残雪があり、雪の中にこの期間閉じ込められたハーブは「氷漬けと同等」と考えていたので半ば諦めていました。

しかし、もみがらくん炭を撒いて雪解けを促し、雪が減ってきたところでスコップで掘り進めると、雪に覆われていたハーブがみんな元気な姿をしていました。
私も経験したことがない事態だったので、すごく嬉しかったこと、植物の生命力の強さに感動したことを覚えています。


今後の農場の展望・取り組みがあれば教えてください

明野農場では、有機JAS認証を10年以上継続してきました。新たな展望として、より自然環境にやさしく、そして植物たちの命の源である「土」を豊かにしてくれる微生物に着目しています。

有機JASの範疇を超えて、微生物環境を本来の自然に極力近い状態にし耕うんなど直接的な土作業は必要最低限に留めることが必要です。
人間の手を減らし、代わりに微生物環境の根源である有機物を多用することで、自然で豊かな土作りを行いハーブ栽培を行いたいと考えています。

そのために、緑肥植物の多用や、植物マルチの使用・不耕起を提唱する「リジェネラティブ・オーガニック農法(Regenerative Organic Agriculture)」の活動を加速させていきます。

     

     

執筆者

ネイチャーズウェイ
コンテンツ担当

てらもと

理容師、エステインストラクターを経て、長年愛用していたナチュラグラッセを製造・販売するネイチャーズウェイに入社。現在、オンラインにて魅力発信を担当。趣味は登山と日本舞踊。