ヌウなひと

ヌウなひと

平田さゆりさん(51歳)
肌が健康じゃないと、
メイクしてもきれいにならないって
いうことに心底気づいて。
平田さゆりさん(51歳)

スタイリストとして第一線にようやく手が届いたのが30代の頃。まだキャリアが安定していなかったから、がむしゃらに走っていたという感じですね。社会に認められたくて頑張っていた時だからこそ、ファッションやメイクは、表面的に飾ることばかりに気を取られていました。
今振り返ると、30代よりも40代の時のほうが楽しかった。でも50代の今はさらに楽しいですね。若い頃は何もかも頑張ろうとして余裕が無かったんですが、年齢とともに、いい意味で焦らなくなってきた気がします。「自分に向いていない、タイプじゃない」と思うとバッサリ切れるし、「そのかわりこっちに挑戦してみよう」など取捨選択ができるようになりました。そう、楽になったから楽しくなれたんでしょうね、おかげでストレスも減りました(笑)。
ところが、50代になってきたら、肌が健康じゃないといくらメイクしてもきれいにならないということを心底思い知らされたんです。だから適度な運動、充分な睡眠、バランスの良い食事を大切にして、精神的にも健やかに過ごすことを心がけています。そしてそれを継続することがきれいの秘訣なのかなって思います。
年齢とともに若さや好奇心、体力は失われていくかもしれないけど、美しさにはこれからもこだわって生きていきたいです。特にメイクは自分が女であることを意識させてくれる重要なアクト。その世代なりのトレンドを、ちゃんと世間と照らし合わせながら自分の中に取り入れて、これからも“止まらない女”でいたいですね。

中島千鶴さん(54歳)
大人の身だしなみとして
清潔感を心がけたメイクを
楽しみたいです。
中島千鶴さん(54歳)

私は先日54歳になりましたが、50歳を迎えた頃から、年々「本当に自分らしく生きていこう」という気持ちが大きくなってきました。20代、30代の頃って流行を追いかけてみんながやっていることを一通りやってみるばかりで、自分の内面を見つめることがあまり無かったんですよね。それが今では肩の力が抜け、いろいろなことが削ぎ落とされていくのを実感して、むしろそれが心地いいんです。
もちろん、歳を重ねていく上で、まだまだ自分に対して「迷い」や「自信の無さ」はあります。でもそういう自分がいてもいいのかなって、いい意味で開き直っています。頑張り過ぎないことが、美しく生きていくポイントじゃないかしら。
外見的なことについてもそう。若い頃は外に出る時は必ずお化粧しなくちゃ!って思っていたので、近くのコンビニに行くだけでもわざわざお化粧したり。それが最近は気張らず、近所への外出は日焼け止めとベースを塗るくらいです。
昔も今も、メイクは大好きです。でも若い頃の義務感とは違って、今は楽しみのひとつになっています。お食事や観劇に行くとか、旅行に行くとか、そういった機会にメイクした自分を鏡で見ると、気持ちが切り替わるんですよね。メイクは私にとって日常の切り替えスイッチみたいなものです。
これから先の人生も、無理をせず、大人の身だしなみとして清潔感を心がけたメイクを楽しみたいです。